鬼瓦 RAW現像工程
京都の町屋の鬼瓦とそのRAW現像工程
今日は少し長めに書いてみます。京都の町屋の鬼瓦の写真とRAW現像工程の2本立てです。
京都 町屋 鬼瓦
京都で撮影した鬼瓦。
ごく普通の町屋の屋根の上にいました。京都に行くと結構な確率で屋根の上にいます。
鬼瓦といってもこの優しそうな表情から守り神様という感じが伝わってきて、きっとこの町屋はアットホームな雰囲気なんだろうな、と勝手に考えたり。
いつかはこういう守り神とかを大切にしている家に住んでみたいな。
まだ社会人3年目の25歳のサラリーマンにはかなり先の話になりそうですけどね。
撮影日時:2013.09.26 10:10
RAW現像工程
この写真はRAW現像の過程で調整してるので、その工程を書いていきます。
独学で試行錯誤しながらいじっているので、もっとうまくできる人はまだまだだなと思いながら暖かい目で後輩を見守ってもらえれば。
まだRAW現像に慣れてない人はこんな感じなのか、と見ていただければ。
そもそもRAW現像ってなに?って人のために若干補記します。わかる人はサクッと飛ばしちゃってください。
一眼レフ、ミラーレス一眼だと撮影した画像の保存形式をRAWとJPEGで選択することができます。
RAWは、フィルムカメラで撮影する場合のフィルムに保存するように撮影した画像を保存する形式です。フィルムに保存すると、現像する必要があるのと同じで、PCで撮影した画像を現像する必要があります。だいたいの場合、SNSではRAWのまま上げることはできません。あと画像のデータがすごい大きくなります。ただ、それだけ撮影時の情報を保存しているので、現像する際にいろいろ加工することができて、撮影時に自分の目で見ていた光景を再現することができます。こういう写真が撮りたかったのに、撮ってみたら全然思ってたのと違う写真になっちゃうことありますよね。その場である程度調整して撮り直すのにも時間的にも技術的にも限界があります。そういう限界をRAWで撮影して、PCで現像することで超えることができます。
JPEGは、ご存じのとおり撮影した画像を現像済の画像として保存する形式です。一眼レフ、ミラーレス一眼は賢いので、撮影した画像をその場で現像して保存することができます。PCで現像しなくて良いので楽ちん。でもあとで画像を加工するのは難しいです。加工する気はないといういうならそのままJPEGで保存するほうが楽です。
個人的には、一眼レフ、ミラーレス一眼を使うならRAWで撮影して、PCで現像するのをおすすめします。綺麗な写真になるから。少し面倒ですけど、それだけの価値はあるとおもいます。
RAW現像には、ソフトが必要です。僕はcannonの一眼を購入した際に同梱されているDigital Photo Professionalを利用してます。特段の不足はまだ感じてないですけど、adobeのPhotoshopとか使ってみたい気もします。そこは人それぞれなのかな。
具体的に作業工程に入っていきます!
第0段階(作業前)
この写真の課題は、後方(画像左上方)がすごい明るくて、鬼瓦の表情が暗くなってしまっていることです。この写真の課題を解決しながら、鬼瓦の優しい雰囲気を表現していくことを目標に現像していきます。
第一段階(明るさ調整)
まずは表情を見えるように明るさを上げていきます。
これだけでもうだいぶ違います。ただこのままだと後方の明るさと鬼瓦の暗さの調整が取れてなくてまだ見ていて少し疲れます。
第2段階(ホワイトバランス調整)
ホワイトバランス調整。今回は「くもり」にしました。ホワイトバランスって写真の雰囲気ががらっと変わるので大事。でも現像するとき変更することができるので、最近はとりあえずオートで撮影してます。屋外で確認するとそのときの光の加減で良くわからないですし。
だいたいの場合「くもり」にすると優しくなる気がします。
青空が入ってる場合は「太陽光」、屋内の場合は「白色蛍光灯」とか場合によって使い分けしてます。
第3段階(微調整(色相))
ホワイトバランス調整で少し画像がセピア調になってしまったので、色合いを調整していきます。少し青っぽくしてみました。ここらへんはその写真のイメージに合わせてというところですかね。
オートライティングオプティマイザというところもここで調整してます。フラッシュ焚いたっぽく画像を処理してくれる調整です。全体的に明るくできます。今回は全体的に明るくしたいわけではないので、「弱め」にしてます。
第4段階(ピクチャースタイル)
(作業前)
ピクチャースタイルはプルダウンの中から選択できます。撮影時に選択することもできます。個人的には人を撮るときは「ポートレート」、風景を撮るときは「風景」を選択して、ほかの時はオートにしてます。あとで変更することができますしね。
(モノクロ)
モノクロにもここで変更できます。京都の町屋とかノスタルジック感を出すにはモノクロもありかなと思います。でもモノクロってどこかもう戻れない過去感があって少し物寂しい感。ということでここは別のピクチャースタイルにします。
(作業後)
今回は「ディテール重視」に変更しました。全体的に細部が綺麗になった気がします。
それぞれのピクチャースタイルを選択してみて合うものを選択してます。
第5段階(ガンマ調整、コントラスト、シャドウ、ハイライト、色合い、色の濃さ)
今回は後方の明るさと鬼瓦の表情の明るさの差を改善したいというところで、ガンマ調整で明るさのすごい明るいところと中間くらいのところをいじってます。正直ここらへんはまだ試行錯誤段階でこれといって正解がまだ見つかってないです。適当に数字をいじってみてこれいいじゃん!ってなったところに決めてます。
コントラストは明暗の差を小さくしたいのでマイナスに振って、シャドウは暗いところを抑えたいので少しマイナスに、ハイライトは明るいところをどうするかという項目なんですがここはバランスを取って少しプラスにしました。色合いは変化なし、色の濃さは少しプラスに振って濃くしました。
第6段階(アンシャープマスク)
(強さ0)
(強さ10)
アンシャープマスクは、境界線をくっきりさせる修正です。
強さ:境界線の強調レベル
細かさ:境界線の太さ、細さ
しきい値:境界線の範囲
という理解で修正してます。
「強さ」はそのままでわかりやすいんですけど、「細かさ」と「しきい値」は少しわかりにくいです。もっと言語化できると良いんですけど。
今回はそこまでくっきりさせたいわけではないので、強さは4.0、細かさは0.0、しきい値は0.0に修正します。境界線を強調したいわけではないときは細かさ、しきい値は基本的に最小で良いと思います。
(修正後)
これにて完成です!
だいたい30分くらいの作業時間です。修正前と比べるとだいぶ見れるものになったと思います。
まとめ
修正箇所が多いです。昔に撮ったものなので、撮影技術が不十分です。今ならもっと上手に修正が少なくなるように撮れるかな、と思います。
修正というと、画像を加工してなんでもありにしてしまうというイメージがあるけど、修正はとても大切な行為だと思ってます。
修正する過程で、「静物を撮影するなら、ISOはもっと低くして、露光時間を長くしたほうが綺麗になったはず」とか、「ここはフラッシュを焚いたほうが明暗差を小さくできたんじゃないか」とか、気づくことも多いです。
こうして修正する過程で、次に写真を撮影するときにもっと上手に撮れるようになれるんじゃないかな。
これからも修行していきます。